フレンチプレスは、簡単な構造でありながら豊かな味わいを楽しめるコーヒーの抽出方法のひとつです。
フランスで19世紀に開発されたと言われ、現在も世界中で愛されています。
この抽出方法では、ペーパーフィルターを使用せず、金属製のフィルターでコーヒーの粉を直接お湯に浸して抽出します。
そのため、コーヒーオイルや微粉が残り、濃厚で深い味わいを楽しめるのが特徴です。
スタバなどのコーヒーショップで、豆を引いてもらう際に、「フレンチプレス用で!」と注文すると、店員さんから、この人はコーヒーに詳しいな!?と一目置かれるかもしれません!笑
フレンチプレスの淹れ方
フレンチプレスの淹れ方はとてもシンプルで、特別な技術がなくても美味しいコーヒーを淹れることができます。
以下の手順で行います。
- 道具を準備する
フレンチプレスを使用するために必要な道具は、プレスポット(フレンチプレス本体)、コーヒー豆、ケトル、スケール(計量器)です。 - コーヒー豆を挽く
フレンチプレス用には「粗挽き」のコーヒー豆が最適です。粗挽きにすることで、コーヒーの粉が金属フィルターを通り抜けにくく、雑味が少ない抽出が可能になります。1杯(約150ml)のコーヒーには10〜12gの豆を目安に挽きます。 - お湯を沸かす
お湯の温度は90℃前後が適しています。あまり高温すぎるとコーヒーが過抽出されて苦味が強くなるため、沸騰したお湯を少し冷ましてから使うとよいでしょう。 - コーヒー粉とお湯を混ぜる
挽いたコーヒー粉をフレンチプレスに入れ、その上からお湯を注ぎます。このとき、コーヒー粉全体にお湯が行き渡るように軽く混ぜることが大切です。全量のお湯を注いだら、約4分間待ちます。時間が経つにつれて、コーヒーがしっかりと抽出されていきます。 - プレスする
4分経ったら、プランジャー(フレンチプレスの押し棒)をゆっくりと下に押し下げて、コーヒーの粉を押し固めます。このとき、無理に力を入れず、スムーズに押し下げることで、均一な抽出が可能です。 - サーブして楽しむ
プレスが終わったら、コーヒーをカップに注ぎます。抽出後すぐに飲み始めると、豊かな風味を最大限楽しむことができます。
フレンチプレスの味わい
フレンチプレスで淹れたコーヒーは、コクがあり、オイリーで濃厚な味わいが特徴です。
金属製のフィルターを使用するため、ペーパードリップのようにコーヒーオイルが吸収されず、コーヒーの風味をそのまま味わうことができます。
また、微細なコーヒー粉がカップに残ることがあり、これが味に深みを加えます。
豆の焙煎度や種類に応じて、フレンチプレスはさまざまな風味を引き出すことができます。
特に中煎りから深煎りの豆を使うと、その豊かなコクや甘み、そして苦味がしっかりと感じられるため、フレンチプレスの特長を最大限に楽しめます。
また、浅煎りの豆でも、酸味やフルーティーな香りを引き出しながら、しっかりとしたボディ感を保つことができます。
こんな人におすすめ
フレンチプレスは、しっかりとしたコーヒーの味わいを楽しみたい人や、コーヒーのオイル感やコクを大事にしたい人におすすめです。
具体的には以下のような方に向いています。
- コーヒーの豊かな風味をそのまま楽しみたい人:コーヒーオイルがしっかりと残るため、豆本来の香りや味わいをダイレクトに楽しみたい方に最適です。
- シンプルで手軽に淹れたい人:フレンチプレスは技術を必要とせず、誰でも手軽にコクのあるコーヒーが淹れられるので、初心者にもおすすめです。
- 時間をかけずに一度にたくさん淹れたい人:プレスポットのサイズによっては、一度に複数杯のコーヒーを淹れることができるため、家族や友人と楽しむ場合にも便利です。
フレンチプレスのメリット・デメリット
メリット
- 濃厚な味わいが楽しめる
コーヒーオイルが残り、濃厚でコクのあるコーヒーが楽しめます。特に、深煎りの豆を使ったときのリッチな風味は、ペーパードリップでは味わえないものです。 - 簡単で手軽
抽出方法が非常にシンプルで、特別な技術や高価な機器を必要としません。フレンチプレスさえあれば、手軽に美味しいコーヒーが楽しめます。 - 一度に複数杯を淹れられる
プレスポットの大きさによっては、一度に数杯分のコーヒーを抽出できるため、複数人で飲む際にも便利です。 - 環境に優しい
フレンチプレスは、ペーパーフィルターを使用しないため、フィルターを使い捨てる必要がなく、エコフレンドリーな方法です。
デメリット
- 微粉が残ることがある
フレンチプレスでは、金属フィルターが細かいコーヒー粉を完全に取り除くことができないため、カップの底に微粉が残ることがあります。これが好みでない方には向かないかもしれません。 - 抽出時間が長め
コーヒーを4分間浸すため、ドリップ方式に比べて少し時間がかかります。急いでいるときには不向きです。 - 後片付けが手間
フィルターの掃除やコーヒー粉の処理が少し面倒なことがあります。特に、プレスポットの細かい部分にコーヒー粉が入り込むことがあり、手入れが必要です。 - 苦味が強く出ることがある
粉とお湯が直接接触して長時間抽出するため、特に深煎りの豆を使う場合、苦味が強く出ることがあります。苦味が苦手な方は、浅煎りや中煎りの豆を使ったり、抽出時間を短めに調整することで、バランスの良い味わいに仕上げることができます。
まとめ
フレンチプレスは、濃厚でリッチなコーヒーを楽しむのに最適な抽出方法です。
手軽でありながら、コーヒー豆本来の豊かな風味やコクを存分に引き出すことができるため、初心者から上級者まで幅広く愛されています。
特に、コーヒーオイルをしっかりと楽しみたい方や、深煎りの豆で力強い味わいを楽しみたい方におすすめです。
一方で、微粉が残ることや後片付けの手間など、少し気をつけるポイントもありますが、それ以上にコーヒーの味わいを引き出す楽しさが感じられるでしょう。
フレンチプレスを使って、自分だけの特別な一杯をぜひ体験してみてください。